広島大学 AIを活用した保健指導システム研究推進事業
「自治体等保険者レセプトデータと健康情報等を基盤に
AIを用いてリスク予測やターゲティングを行う保健指導システムの構築」

研究紹介

プロジェクトの背景

 超高齢社会に突入した我が国は、社会保障費の増大や生産年齢人口の減少等、様々な課題に直面しています。課題の解決には、国民の疾病予防・健康管理の取り組みを推進し、健康寿命の延伸につなげていくことが有効です。政府は、保険者がレセプト・特定健診等情報を活用して加入者に対して効果的かつ効率的な保健指導を行う「データヘルス計画」の推進に取り組んでいます。日本再興戦略や世界最先端IT国家創造宣言においては、ICT を活用した保険者機能の強化や、健診・レセプトデータ等のインテリジェント化を進めることで、診療やデータヘルス推進支援のための研究を行うことが明記されています。しかしながら、「データヘルス計画」を推進するにあたり、各自治体保険者の事業規模が小さいことや、分析等に高度なICTリテラシーを要するため、各自治体の職員だけでは地域特性に応じた事業推進が滞ってしまうことなどが課題として挙げられています。

システム構築のポイント

概念図
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 広島大学は、広島県の協力を得て、個々の自治体の特性に応じた自治体保健師等による保健指導モデルの立案を支援するシステムの開発を行います。 このシステムは、これまで広島大学大学院医歯薬保健学研究科の森山美知子教授らが実施した、国の「データヘルス計画」の基礎になった モデル(注1)を活用し、自治体等医療保険者の有する健診、医療・介護レセプトデータ、疾病構造や医療費の構造に影響するデータ(年齢分布、職業分布、病院数など)を、自然言語処理や機械学習等のAI技術を用いて、最適な保健指導を目指すものです。

注1:集団全体を対象としたヘルスマネジメント(Population Health Management: PHM)
モデルとは広島県呉市で平成22年度より開始した保健事業。レセプトや特定健診の各種データを分析し、その抽出結果に応じて施策を実行、加入者の健康増進や重症化予防をめざし、結果として医療費の適正化につながった好事例。2014年厚生労働省が出した「データヘルス計画」を先取りする事例として注目されています。

ごあいさつ

研究代表者挨拶

 広島大学「AIを活用した保健指導システム研究推進事業」のページにお越しいただきありがとうございます。 研究代表者の木原康樹と申します。

 昨今のニュースなどでAIの文字が出現しない日は無く、近い未来にあらゆる分野でAIが活用される世の中になることが想像されます。医療の分野でもAIを積極的に利用することで、精度や効率を高めてゆくことが可能になるかもしれません。AIを活用した保健指導システム開発事業はそのような期待の中で立ち上がりました。

 我々チームの一員である、広島大学医歯薬保健学研究科 森山美知子教授らが実施し、国の「データヘルス計画」の基礎になった モデルを基盤に、その手法を最大限活用したAIシステムを構築する点で私たちの事業はユニークです。

 一方、間違いを許さない医療分野でAIを活用するには、AIを教育するための大量の学習データ(正解データ)が必要であり、それを有効に利用させて頂くために各自治体をはじめ、医師会、医療機関、医師の方の協力なしには進めて行くことが出来ません。また、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針や、個人情報の保護などの課題を確実に解決していく必要もあります。

 私たちの事業にご興味、ご協力いただける、自治体、医師会、医療機関、医師の方々にご支援をお願い申し上げます。

広島大学 副学長 教授 木原康樹
副学長サイン

メンバー構成

メンバー構成

問い合わせ先

会社名 氏名 TEL E-maill
広島大学 学術室研究企画室 市川 哲也 082-257-1976 ura*office.hiroshima-u.ac.jp
日本大学 吉開 範章 03-3259-0938 yoshikai.noriaki*nihon-u.ac.jp
株式会社OKEIOS 中村 享有希 092-409-5571 takayuki.nakamura*okeios.co.jp
株式会社OKWAVE 宮城 重幸 03-5793-1195 miyagi*okwave.co.jp
株式会社データホライゾン 内藤 慎一郎 082-279-5550 snaitou*dhorizon.co.jp
株式会社DPPヘルスパートナーズ 原 眞理子 082-263-8874 mhara*dpphp.jp
広島県 健康福祉局 今岡 寛之 082-513-3214 h-imaoka82953*pref.hiroshima.lg.jp

(*は半角@に置き換えてください)

AIを活用した保健指導システム研究推進事業に関するお問い合わせ先

機関名 部課 TEL E-mail
国立研究開発法人
日本医療研究開発機構
臨床研究・治験基盤事業部 臨床研究課 03-6870-2229 (課代表) rinsho-ict*amed.go.jp

(*は半角@に置き換えてください)

研究内容

研究の背景

 国は、健康保険組合等医療保険者に対し、レセプト、健診情報等のデータ分析に基づく保健事業を実施するための事業計画「データヘルス計画」の取り組みを求めることを決定し、これを推し進めています。

 我々広島大学グループは、広島県呉市をはじめとする複数の自治体や健保組合等と共同で、レセプト等の健康情報の分析とそれに基づく保健指導の実施に成果を上げてきました。

 一方で、データヘルス計画が全国で実施されるためには、解決されなければならない課題があることも明らかになってきました。

  1. 健康情報の分析と保健施策の立案
  2. 保健指導対象者の適切な抽出
  3. エビデンスと費用対効果に基づいた保健指導の実施
  4. 保健指導を実施する医療職者等の質の担保
  5. 実施した保健指導の評価と改善

研究の目的

 広島大学と広島県・市町および情報科学研究者・医療IT企業が一丸となって、健康情報の分析と保健指導を支援するAIシステムを構築していきます。そして、多くの医療保険者に対してこれらを県内外に広く提供・実装することにより国のデータヘルス計画を推進していきます。

研究体制とロードマップ

 3年間の研究期間を設定する。

 平成29年度(1年目):すでに広島大学と「データヘルス計画」を立案、実施してきた広島市(政令都市)、呉市(既存データ)、安芸高田市(山間部)、大崎上島町(島嶼部)で収集したデータを取り込み、健康情報の分析と保健指導対象者のターゲッティングを行うAIを構築する。

 平成30年度(2年目):保健指導のAIの構築を行う。

 平成31年度(3年目):全国への展開

参加機関

自治体

協力自治体 参加年度
広島市 平成29年度/平成30年度/2019年度
呉市 平成29年度/平成30年度/2019年度
安芸高田市 平成29年度/平成30年度/2019年度
大崎上島町 平成29年度/平成30年度/2019年度

医師会

協力医師会 参加年度
一般社団法人 呉市医師会 平成29年度
一般社団法人 豊田郡医師会 平成29年度